AIサイバー攻撃。業界は警鐘を鳴らす。WinMagicは解決策を示す。

「先週の警告は、すべてのセキュリティ責任者に向けられたものだった。OpenAI、Google、Microsoft、AWS、Anthropicを含む150社超の企業が、AIによる攻撃の急速な高度化を警告し、『サイバー防御を強化する時間は残り少ない』と訴えた。私たちも同意する。そして、その課題の一つには明確な解決策があると考えている。」

脆弱性を生み出す根本原因

共同書簡では、システムが脆弱な状態に置かれている要因を挙げるとともに、業界全体での協力と、より高いセキュリティ基準の確立を呼びかけています。その多くは、パッチ適用、権限管理、設定不備の是正といった、業界が対処方法を理解している課題です。しかし、最も難しい問題は、それらのどれもが解決していないものです。それが認証の脆弱さです。業界はこの分野にも多くの努力を注いできました。パスワードから MFA(多要素認証)へ、さらに MFA からパスキーへと進化してきました。それでも攻撃者は侵入に成功しています。Proofpoint は2024年12月の報告書で、攻撃者によって侵害されたアカウントのほぼ半数で MFA が有効になっていたと報告しています。私たちが考える問題の本質はこうです。業界は、デジタルセキュリティにおける最も優れた技術である暗号技術を至るところで利用しています。しかし、それをエンドツーエンドで使うのではなく、断片的に使っています。認証は「はい、このユーザーは正当です」という判定結果を返します。しかし、その後に続くデータのやり取りそのものを保護するわけではありません。ログイン後にユーザーを表すものはトークンです。そして、そのトークンには「簡単にはコピーできないこと」しか求められていません。一方で、すべての通信データは標準的な TLS プロトコルによって暗号化されています。しかし、「認証結果」から「データ保護」へと切り替わるその部分には隙間があります。そして、その隙間こそが弱いリンクとなり、AIを利用するかどうかにかかわらず、攻撃者が付け込むポイントになっているのです。

AIが何を変えるのか

AI が得意なのは、攻撃者の次の2つの能力を大きく向上させることです。1つは、注意深い人であっても信じてしまうような巧妙な偽装や詐欺を作り出すこと。もう1つは、複雑なシステムの中にある弱点を見つけ出すことです。AI は、人間の速度を前提に設計された防御策よりもはるかに速く動作します。また、従来の攻撃者なら優先順位を付けて選ばなければならなかった対象を、片っ端から試すことができます。その結果、攻撃者は、現在最も防御が困難な攻撃の一つであるAiTM(Adversary-in-the-Middle)攻撃を成立させるために、ユーザーをだますことにこれまで以上に成功するようになります。AiTM攻撃では、攻撃者がユーザーと正規サービスの間に入り込み、双方の通信を中継します。そのため、ユーザー側もサービス側も、正常にログインが完了したように見えます。しかし実際には、その通信の間に攻撃者が存在しているのです。

AI が苦手としているものもあります。それは暗号そのものを破ることです。認証によって、その後のデータを保護する暗号鍵が生成されるような、適切に設計された暗号学的にアトミック(不可分)な処理であれば、この問題に対処できます。そのような仕組みでは、たとえユーザーがだまされて攻撃者の用意した環境へ誘導されたとしても、AiTM 攻撃は成立しません。言い換えれば、おびき寄せが成功しても、中継は失敗する。これこそが重要な点です。

解決策:判定結果ではなく、鍵を生成すること

当社のログインは、ユーザーに特別なことを意識させません。また、複数の仕組みを後付けで組み合わせたものでもありません。その基盤となるのは、エンドポイントのハードウェア内部に保持され、決して外部に出ることのない鍵です。Live Keyは、正当なユーザーであること、正しいデバイスであること、ローカルのセキュリティポリシーを満たしていることのすべてを同時に表します。そして、これらの条件のいずれかが満たされなくなった瞬間、Live Key は無効となります。パスワードは、盗まれれば誰でもどこからでも利用できます。盗まれたトークンも、それを提示できるどの端末でも機能します。しかし、この鍵にはそれがありません。この鍵は、そのユーザーが、その端末上で使用している場合にのみ価値を持ちます。それ以外の誰かにとっては、何の価値もありません。

この仕組みは新しいものではありませんし、当社が独自に考案したものでもありません。それはMutual TLS(mTLS)です。mTLS では、サーバーだけでなくクライアント側も自身を証明し、双方が相互に認証を行います。この技術は、マシン間認証を何十年にもわたって支えてきました。しかし、一般的なユーザーログインには普及しませんでした。ICカードを持ち歩いたり、証明書を管理したりする必要があり、利用者に大きな負担を求めていたからです。欠けていたのは、「人」を表現できるクライアント鍵でした。そして今、その役割をエンドポイントが担えるようになりました。

サービスプロバイダーの皆様へ。次はセッションの問題に取り組む必要があります。

私たちはログインの問題を解決できます。しかし、その後に起こること、すなわちユーザーとサービスの間で維持されるセッションについては、私たちだけでは解決できません。私たちが必要としているのは、アプリケーションがエンドポイントおよび Live Key と連携し、mTLS を利用して通信することです。そうなれば、ログインとセッションは単一の mTLS セッションに統合され、ユーザーの操作もログイン画面も不要になります。つまり、AI が攻撃対象とするためのログインプロセスそのものがなくなるのです。この構想の一部はすでに公開されています。GitHub 上のLIT(Live Identity Token)プロジェクトでは、Windows 向けの Live Key および mTLS 認証のリファレンス実装を提供しています。私たちは現在、この仕組みを共に構築していくサービスプロバイダーやパートナー企業を募集しています。さらに詳細なソースコードについては、契約に基づいて提供する予定です。

AIサイバー攻撃が緊急課題になる前から、私たちはその本質を指摘していた。

私たちがこの欠陥について初めて説明したのは、2024年に公開した「WinMagic Discovered a Flaw in TLS and FIDO(WinMagicがTLSとFIDOの欠陥を発見)」の中でした。その後、「Did Your Login Pass or Fail?(あなたのログインは成功したのか、それとも失敗したのか?)」で再びこの問題を取り上げました。それ以来、この議論はあるべき場所へと広がっています。2026年3月にはW3C への正式提案として提出され、IETF ではドラフト文書として検討が進められています。また、MITRE に対して公式なコメントを提出したほか、Authority Magazine や Mobile ID Worldなどのメディアでも取り上げられています。この欠陥は、実際に悪用されていたかどうかに関係なく、もともと存在していました。そして今、AI がその欠陥を悪用し始めているのです。

私たちの取り組みは、将来のロードマップ上の構想ではありません。MagicEndpointはすでに導入・運用されており、リファレンス実装も公開されています。残されているのは、私たちだけでは実現できない部分です。ログイン方式に対する独立した第三者による検証、そしてエンドポイントと mTLS で通信できるアプリケーションの普及が必要です。

 

MagicEndpointのより詳しい説明をご希望の方、評価や技術検証にご関心のある方は、お気軽にsales.jp@winmagic.comまでお問い合わせください。